アメリカでもっともよく使われるオフルームステッチのひとつです。テクニックは単純ですが、とても活用範囲の広いステッチです。偶数目と奇数目で編み方が多少異なります。ラウンド(輪編み)フラット(平編み)ができ、平面から立体作品まで作れるだけでなく、ボトルや石などの表面を編みくるむこともできます。

目数や使うビーズの大きさを変化させたり、アイディアしだいでいくらでもバリエーションが楽しめます。一番よく使われるのビーズは11/0(丸小)ですが、他のサイズ、形でも問題ありません。例えば、デリカのような形の揃ったビーズを使えば布のような規則正しい編み目に、カットビーズなどを使えばおもしろいテクスチャーのある編み目になります。

ペヨーテステッチの名前の由来は、NA(Native American=北米インディアン)の人々の間で行われるPeyoteサボテンを使った宗教儀式です。この儀式の道具をビーズで飾るのに使われたため、この名前で呼ばれるようになりました。日本のビーズ書籍ではしばしば、「ペイヨット」ステッチと表記されています。アメリカ人は「ペヨーテ」と発音するようです。以下ペヨーテの名称と成り立ちについて、もう少しご説明します。

アメリカのビーズ関係者の間でときに論争の的になることですが、実は上記の現在広く流布しているペヨーテステッチは、本来のNA起源のものとは違い、ヨーロッパ人との交流過程で北米大陸に持ち込まれ、後にNAの人々も使うようになったと言われます。NA起源のペヨーテステッチはビーズ3個を1単位として編み目が構成され、常に何かを芯にしてその周囲を編むもので、偶数目や奇数目といったバリエーションはありません。見た目が非常によく似ているために混同されていますが、NA起源と非NA起源のペヨーテは、歴史的背景も、テクニックとしても、全く違う編み方です。

最も厳格なNA Church (NAC: ペヨーテ儀式を行うNAの人々の宗教団体)のメンバーは、本来の宗教的な目的以外にペヨーテステッチが使われたり、メンバー以外がこのステッチを使うことを許しませんし、誤った名称が使われることにも非常に神経質です。最近ではこうした事情に配慮して、本来のペヨーテを"traditional peyote"、あるいは"sacred peyote"、これに対して一般化したペヨーテステッチを"secular peyote"、または"gourd stitch"と呼んで区別しようという傾向があります。しかし一方で、非NA起源のステッチが「ペヨーテ」の名ですでに広く浸透してしまったので、混乱を避けるためにあえてこの名称を使い続けるビーズアーティスト、書籍、雑誌は多いです。以下当ページのインストラクションで説明されているステッチは、「非NA、非伝統的、世俗的」ペヨーテステッチです。

参考文献:"Is it Peyote or Beadweaving?", David Dean, Beadwork Summer '99

伝統的なペヨーテステッチの作品例:Marylyn's Beadworksラトル=がらがら羽の扇


ペヨーテステッチ インストラクション
  1. ラウンド・偶数目(round, even count)
  2. ラウンド・奇数目(round, odd count)
  3. フラット・偶数目(flat, even count)
  4. フラット・奇数目(flat, odd count)

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Beads Gallery Sweet Peas、「ステッチの紹介」にも、ペヨーテステッチの基本がわかりやすく紹介されています。

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